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【制作のうらがわ】恵那市SDGsロゴ制作
デザイン|2025.06.06デザイナーが日々どのようなプロセスを経てデザインを仕上げるのか、ちょっとだけ裏側を覗ける【制作のうらがわ】。
今回はコンペで制作した、恵那市さんのSDGsロゴ制作について取り上げていきます~!
公募サイトでこの募集を見つけ、応募してみることに。
公式からの要項は以下のようなものでした。(HPより引用しています)
—————
【目的】
SDGs未来都市として、本市のSDGs推進のシンボルとなるオリジナルシンボルマークデ
ザインを募集します。
恵那市民や市外の皆さまに関連するイベントの告知や活動報告など、広く周知を行うための戦
略の一環として行います。【カラー】
) 恵那市SDGs未来都市計画に掲げる 2030 年のあるべき姿(下記参照)をイメージできるデ
ザインとし、SDGsの 17 ゴールの色を全て使用すること。【テーマ】
「住みたい田舎」であり続ける観光・交流・定住・安住・共生の恵那ライフ
‐ENA 遺伝子の継承と伝達-
—————なるほどなるほど…「SDGsの17ゴールの色を全て使用」が今回の一番の制約になりそう。
テーマも「ENA」→DNAをもじったもの?としっかりと定められています。まずは恵那市についてリサーチです。対象のことを深く知ったうえでロゴ制作に取り掛かったほうが表面的でなく意味のある造形ができます。
・名古屋市の中心部からおよそ60キロメートル、岐阜県南東部に位置し、愛知県と長野県に隣接
・山紫水明の豊かな自然に恵まれた地域
・東には恵那山、南には焼山、北には笠置山に囲まれる
・恵那峡周辺は、県立自然公園に指定
・ダムが多い市として知られる
・みのじ宣隊ENAレンジャー:もみじレッド、くりイエロー、まつたけグリーン
・レトロな雰囲気漂う日本大正村がある明智がある
・連続テレビ小説「半分、青い。」と関連事業ありふむふむ。どうやら自然豊かな地域でそこを市としても推しているようだ。
では、アイデアを広げるためにマインドマップを作成してみましょう。発想を広げていきます 今回は、リサーチして分かった「自然」「DNA」「歴史と文化」の3つのキーワードから、発想を広げていっています。
さて、たくさんアイデアが出たところで、骨子となる「コンセプト」を考えていきます。コンセプトを考えていきます
WHY/WHO/WHAT/HOWの観点から、なぜ作るのか?誰に届けたいか?何を一番伝えたいのか?どうやって届けるのか?を考えていきます。
今回は、【自然とひとのふれあいが豊かな、独自の文化を感じさせるデザイン
人と人とがつながって、脈々とづづくようなイメージ】で作成することにしました。
次に、デザインの世界観を設定していきます。
■デザイン基本設定
・カラー:指定のSDGsカラーを公式サイトで調べて、慎重にコードを決定していきます
・フォント:Flirt Script、Mina、MVB Sacre Bleuの3つを候補として挙げ、それぞれ当てはめてコンセプトにしっくりくるものを選んでいきます
世界観が固まりました!
ここまで来て、ようやく絵を描きます。(えっ?!)じつは絵に取り掛かるまでのプロセスがすごく大事だったりするんです。形から入るときもありますが、土台の骨子がしっかりしていないとその上に立つデザインもグラグラして軸のないものになってしまうんですね。
私の場合はアナログ派なので、まずは手書きで思いつくままラフを書いて、キーワードを織り込みながら、形にしていきます。思考の幅を狭めないよう、ラフの候補は出来るだけたくさん出すようにしています。
・「恵那峡」の自然…山の形がいいかな?
・循環し、ずっと続く恵那ライフ…一筆書きで途切れないこと、循環を表してみよう
・「ENA」の遺伝子…DNAのもじり?では遺伝子を彷彿とさせるモチーフを入れてみよう
そうして出来上がったのが…こちら!

■コンセプト
「ずーっと続く、恵那のENA」
■「恵那峡」の自然
恵那市の観光資源の中でもっとも有名でシンボリックな「恵那峡」の山の形と、
「ena」をの文字をドッキングさせて表現しました。
■循環され「ずーっと続く」恵那ライフ
一筆書きのようなひとつづきの線のイメージで、
魅力ある恵那ライフが「循環する」「ずっと続く」ことを表現しました。
■受け継がれる「ENA」の遺伝子
山の頂上付近はDNAのらせんをイメージした造形とし、
「ENA」の遺伝子を表現しました。
残念ながら…選ばれることはなかったのですが、私としてはリサーチ→コンセプト→造形の流れを経験するいい機会をいただいたと思っています。
いかがでしたでしょうか?
また制作のうらがわをお届けできたらと思います!